6体のお地蔵様が並んでいる光景を見過ごしている人も多くいるのではないでしょうか?6体並んで祀られている地蔵菩薩様の事を「六地蔵」といいます。
普通ならお墓参りに行った時や、街道が交差する場所などにも六地蔵が祀られているそうなのですが、気にかけた事がありますか?
私は「御朱印集め」をきっかけに仏閣を巡っている時に、6体並んでいるお地蔵様が可愛くて必ず記録(写真)を撮っていましたが、今回「六地蔵が祀られている理由」について気になり調べました。
純粋な気持ちで仏閣巡りをしているのなら、知っておきたい情報として解りやすく記録してありますので、興味のある人のみ最後までお付き合いくださいませ。
六地蔵が祀られている理由
お墓に並んでいる六地蔵は「死後の世界に旅立つ死者を守ってもらう!」と信仰されており、亡くなった後も見守ってくださり救いの手を差し伸べてくださるといわれています。
しかし宗派により、六地蔵が祀られていない場合もあります。
なぜ6体のお地蔵様?
6体並んでいる六地蔵の「6」というのは「六道輪廻」の「六」の事を示しており重要な意味がありました。
決して「6体並んでいると可愛いから」という事ではありません。
この世に生を受けた全てのものは、6つの世界に生まれ変わり死に変わりを繰り返す
6つの世界で迷い苦しんでいるものを救ってくださるのが、六地蔵と伝えられています。
「六道輪廻」6つの世界について
六道輪廻について疑問に思いませんでしたか?
「生まれ変わり」は聞く事がありますが「死に変わり」って聞かないですよね?これは繰り返される6つの世界を知ると理解できます。
- 天道(てんどう)
- 人間道(にんげんどう)
- 修羅道(しゅらどう)
- 畜生道(ちくしょうどう)
- 餓鬼道(がきどう)
- 地獄道(じごくどう)
天道・人間道・修羅道は「三善道」といわれ、畜生道・餓鬼道・地獄道は「三悪道」または「三悪趣」といわれる事が多い様ですが、修羅道を悪道に含め「四悪道」「四悪趣」とする場合もあるそうです。
もう少し詳しく6つの世界についてご紹介していきます。
天道(神々や天人が住んでいる世界)
人間より優れた存在、人間道より寿命が長く苦しみもほとんどないとされている。
人間道(人間が住んでいる世界)
悩みや苦しみ(煩悩)がたくさんある世界だが、楽しみもあるとされている。
修羅道(阿修羅が住んでいる世界)
争いによる怒りや悲しみが絶えない世界だが、地獄とは違い苦しみを自ら帰結する事ができるとされている。
畜生道(鳥、獣、虫、魚など人間以外の動物が住んでいる世界)
動物的本能で行動し生きており、仏の教えを得ることができず救いが少ないとされている。
餓鬼道(餓鬼が住んでいる世界)
食べようとすると食べ物が火となってしまい、餓えと渇きに苦しむとされている。
地獄道(悪行を犯したものが送られる世界)
厳しい責め苦を受け、罪を償うとされている。
6つの世界を知り今までの人生を振り返り「私は善道に行けますでしょうか?」と聞きたくなりますが、それは違いますよね!
「善道に導いていただける様に生きていかなくてはダメ」という事なのかもしれませんね。
六地蔵は6つの世界それぞれの地蔵菩薩
六地蔵について諸説あるそうですが、地蔵菩薩が六道に行くために姿を変えたものが六地蔵とも伝えられているそうです。
- 天道を救う日光地蔵(にっこうじぞう)
- 人間道を救う除蓋障地蔵(じょがいしょうじぞう)
- 修羅道を救う持地地蔵(じちじぞう)
- 畜生道を救う宝印地蔵(ほういんじぞう)
- 餓鬼道を救う宝珠地蔵(ほうじゅじぞう)
- 地獄道を救う壇陀地蔵(だんだじぞう)
六道輪廻から解放され成仏できる様に救いの手を差し伸べてくださるのが、地蔵菩薩です。
あれっ?気が付きましたか?
六道輪廻は成仏できないと永遠と繰り返されるが、成仏すると「仏様の世界」に生まれ変われるという説もあるそうです。
最後に
六地蔵やお地蔵様は入り口の近くに祀られている事が多く、お墓に「魔」が侵入するのを防ぎ、安らかに眠る故人を守ってくださっているそうです。
今回「六地蔵」についてご紹介してきた中で一番気になるのが「六道輪廻」の言葉ではないでしょうか?
死後どこの世界に行く事になるのか?生前の行いによって決まるとされています。
閻魔様の審判によって決まるのですが、それが49日の法要の日とされています。
故人が成仏する事ができるように、お祈りし供養するというのは大切ですね。